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Hardingfele ハーディングフェーレ

ノルウェー固有の民俗楽器。

「ハルダンゲルのフェーレ(フィドル)」という意味で、現存する最も古い楽器は西ノルウェー、ハルダンゲル地方で作られました。(1651年 ヨスタフェーレ Jaastadfele) 以降、同様の共鳴弦つきのフィドルは各地に広まり、現在では、西南ノルウェー一帯で主に多く使われています。

様々な大きさ、装飾、共鳴弦の本数を持っていたハーディングフェーレは19世紀後半に楽器の近代化が行われ、それ以来、よりバイオリンに似た形に近づきました。現在では、胴体はバイオリンとほぼ同じ、棹がバイオリンよりも短いものが多く、また、共鳴弦が4−5本あるものが一般的です。胴体にはインクで装飾が描かれ、指板にも装飾があります。

 

 

演奏は、人から人へと耳で聞いて伝承されてきました。様々な地域で同じ曲がそれぞれの地域の特徴を加えたバリエーションで残されていたり、それぞれの演奏家が、自分固有の節回しを加えたり。それぞれの曲は似た曲に聞こえますが、よくよく聴いてみると実に多様です。それらのレパートリーはおじいさんから子へ、孫へ、と家族で伝承が行われたり、地域のマスターのもとへ通い、教わる事で伝承されてきました。

 

 

ハーディングフェーレの音色は、共鳴弦の響きを含む澄んだ音色。夏のフィヨルドの間を通るような、厳しい冬の澄んだ冷たい空気のような。。。聴く人たちの間に景観が広がり、過去の経験や記憶を思い起こさせる、地域に根ざした音楽の特徴でもあります。

 

 

レパートリー

ハーディングフェーレで弾かれる曲はダンスチューンが中心です。ノルウェーで弾かれる伝承曲は大きく2つのタイプに分けられます。中でもSpringarやGangar、Rudl、Hallingといったより古いタイプのものがハーディングフェーレのレパートリーの多くを占めます。それに対してValsやReinlender、Polkaなどはより新しい時代に近隣の国々から入って来たと言われています。

樫原聡子

 

大学時代にノルウェーの民俗音楽に興味を持ち、テレマルク大学ラウラン校、オレブルアカデミーで伝統音楽について学ぶ。2007年よりNyckelharpaとのデュオfissで活動を始める。

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